引導(いんどう)を渡すってなんでしょうか?
例えば、成長目覚ましい立場の人が過去の栄光にしがみついている人に最終宣告する場面で『AさんからBさんに引導を渡した』など日常生活でも使われる事のある「引導を渡す」についてお話させていただきます。
もともとは仏教用語で葬儀においての儀式を意味する言葉です。
引導(いんどう)とは引いて導く、つまり亡くなった方が無事に仏様の世界へ行けるように導くための儀式が「引導を渡す」です。
一般的な仏式での葬儀の流れは、僧侶が着席され、読経が始まります。
引導の儀式が終わりましたらお焼香をし、最後のお別れをします。
お花入れといって、花祭壇の花を皆様でお棺にお入れしてお別れをしたりする事が多くなって来ました。
喪主様のご挨拶が済みましたら、火葬場へとご出棺です。
引導の儀式は読経中、もしくは読経の前か後に行われます。
葬儀の流れの中でクライマックスでもあり、故人様の魂が現世から浄土の世界への旅立つ瞬間でもあるのです。
宗派によっては「喝(かつ)」や「露(ろ)」などと大きな声を出されるので驚かれる方もいらっしゃいます。
宗派やお寺によっては松明(たいまつ)を燃やして故人様の煩悩を燃したり、真言を唱えたりして故人様を仏様の世界へ導きます。
松明(たいまつ)ですが、現在は防火上の問題もありますので、赤い布などを棒状の物の先に付け、燃える火を模した物を代用しているようです。
故人様とのお別れは寂しく辛いものではありますが、その意味を考えますとこれからのご冥福を祈る気持ちが自然と湧いてくるのではないでしょうか。