祭壇に供えてある「ごはん」と「お団子」はどんな意味があるのでしょうか?
仏式の葬儀の際、祭壇の中央には位牌が置かれ、その右脇にご飯とお茶、
そして左脇には団子とお水が置かれます。
葬儀までの間、ご自宅にご遺体を置かれる場合ですと枕元に小さな机を置き、
その上に花立、燭台などが置かれます。
そして「枕飯」と「枕団子」も供えられます。
宗派によって飾らない派もありますが、一般的なお話させていただきます。
「ごはん」について
もともとは「一膳飯」と言われ、結婚により家を出る時や引っ越しの時に
「ここには戻ってこない」という意味合いで出されていたものが、
いつしか葬儀に取り入れられたようです。
子どもへのしつけの一つにご飯にお箸を差したら「縁起が悪い」「行儀が悪い」と
言っておりましたが、「枕飯」から来ているようです。
ご飯の盛り方は1合の炊き立てのご飯を球状に高くしますが、亡くなられた方が
この世に未練を残さないようにという意味もあるようです。
そして、ごはんの真ん中に一膳の箸を立てます。
宗派や住んでいる地域によってごはんの盛り方が男女によって違ったり、
箸の本数や立て方も異なるようですが、京典では写真のようにお供えいたします。
お茶碗とお箸は故人様が普段使われていたものを使用する場合が多いです。
そして団子です。
京典では6個の団子をお皿に盛ります。
地域によっては11・13・49個など団子の数もまちまちです。
6個を盛るという意味は六道を表しています。
六道とは地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天です。
お供えした「ご飯」と「団子」は葬儀が終わりましたら、半紙にくるんで
棺にお納めします。ご飯は箸を刺したままです。
残ったお茶碗はご家族にお戻ししますが、出棺の際にお茶碗を割るところもございます。
割ることで故人様に別れをお知らせする意味もあるようですし、
割る事で形を崩してあちらの世界の故人様の元へ送って差し上げるという意味も
あるようです。
お棺に入れたごはんと団子は故人様が彼岸に行く道中に召し上がるためと、
途中で空腹で困っている人に分けてあげるため、そうする事で徳を積み、
そして六つの団子は六道の世界ごとにいらっしゃるお地蔵様にお供えし六道から
抜け出すために持たせるという説もあるようです。