神道の葬儀や祭壇について
現在、日本で行われている葬儀で半数以上は仏教形式のようですが
日本各地に古くから伝わるものとして「神道」の葬儀である「神葬祭」
(しんそうさい)があります。
神道は自然や祖先への崇拝を基本としておりますが、地域や神社やさらに
神職によって流れややり方が違うようですので、お付き合いのある神職の方に
確認をされていただければと思います。
仏教と神道ではこのように言い方、呼び方も違います。
僧侶⇔神職 喪主⇔斎主(さいしゅ) 位牌⇔霊璽(れいじ)
お布施⇔御礼、お祭祀料 御玉串料
供物⇔神饌物(しんせんもの) 焼香⇔玉串奉奠(たまぐしほうてん)
法要⇔霊祭(れいさい)、式年祭(しきねんさい)
通夜⇔通夜祭 告別式⇔祭場祭 戒名⇔諡号(おくりな)、霊名
などがあります。
また、仏教で言う回忌法要も御霊祭(みたまさい)と呼ばれ、
初七日⇔十日祭 四十九日⇔五十日祭 一周忌⇔一年祭
と違いがあります。
神葬祭の祭壇にも特徴があります。
こちらは弊社が執り行った際の祭壇ですが、一例としてご参照ください。
仏式のお供物にあたる「神饌物(しんせんもの)」にはいろいろなものが供えられます。
ご覧のように野菜は畑で育っている状態を模して盛ります。
祭壇には神様の乗り物である「神輿」(みこし)を飾り、その前には神様の依り代である「鏡」が置かれ、両脇には赤地の布の「幣帛」(へいはく)と一対の「大榊」を飾ります。
古代に衣類・紙・農耕具など供えられていたようですが、「幣帛」はそれらの代わりとして供えられるようになったようです。
「大榊」も地方によっては菊の籠花で飾るようです。
さらに式場の天井から「水引幕」を垂らします。これは神聖な場所を区切るしるしとして用いられます。
そして両脇には森羅万象を色で表した五色の旗を置き、三種の神器と呼ばれている「鏡」と「勾玉」が右側の旗に、左側の旗には「刀」は刃が外側に向くように添えられます。
棺の周りにはしめ縄がまかれ、紙垂(しで)を下げます。
神道に限らず祭壇やお供えしてある品々には深い意味がある事を今回改めて知る事が出来ました。