戒名について 『「信玄」「謙信」って戒名だったのですね。』
今回は戒名について考えていきましょう。
そもそも戒名とは何でしょう?
Wikipediaによると戒名は、「仏教において、戒を守ることを誓った(受戒した)者に与えられる名前である。仏門に入った証であり、戒律を守る証として与えられる。
戒名の授与は、上座部仏教と大乗仏教の両方で行われており、多くの場合、出家修道者に対して授戒の師僧によって与えられる。」と書いてあります。
日本では戒名と呼びますが、中国語では 法名、法号と呼ばれます。
戦国時代には法皇出以外に出家しながら俗事に携わる人物は、苗字+戒名を名乗っており、「武田信玄」「上杉謙信」など私達のよく知るところです。
宗派によっても異なり、
浄土真宗では、戒名と言わず「法名」と言い、
日蓮宗などの法華系仏教宗派では、「法号」と言います。
ここでは「戒名」と統一いたします。戒名にもいくつか種類がありますが、代表的なものをご説明いたします。
居士(こじ)・大姉(たいし・たいじ)
もともとはインドの長者の中国語訳で、あつい信仰を持った信者に贈られていました。とりわけ熱心な信者には「大居士」「清大姉」が贈られていたようです。
信士(しんし)・信女(しんにょ)
優婆塞(うばそく)・優婆夷(うばい)という仏教の信者として、五戒や十善戒を守る成人の男女に付けられていました。成人とする年齢については諸説あるようですが、18歳以上とするのが一般的とのことです。
宗派によって、「清士」「清女」「清浄士」「清浄女」「善士」「善女」とも言うよう
です。
さて、戒名についてよく質問されるのがこの二つです。
戒名っておいくらなのでしょうか?
その金額を払えない時はどうすればいいのでしょうか?
そもそも戒名料はお布施です。
お布施ですので本来であれば金額は決まっておらず、その方の状況に応じてお渡しするものです。
少し前まではお寺様に「戒名はおいくらでしょうか?」とお尋ねした際、「お気持ちで」とお答えてしていたようですが、時代も変わり明確に金額をお伝えになっているようです。
ですので、ご不明な点はためらわずにお聞きになった方が良いかと思います。
では提示された金額が支払えない場合はどうすれば良いのでしょうか?という質問ですが、そちらも同様にその旨をご相談なさるのが良いかと思います。
お寺様によっては分割にしてくださるところもあるようですし、少し金額を下げてくださるところもあるようです。
お寺は大体の場合、本山に属しております。
そのお寺だけでなく、本山を維持していくために支えるのがお布施です。
ここで少し歴史を振り返りますと・・・
昔はお金がない人は草むしりなどの労働奉仕をして支えていたようです。
「寺子屋」として子どもたちに読み書きを教えたり、後には講師を招いて教育の場の役目をになっていました。そして老若男女、地域のよろず相談所としての役割を果たしており、なくてはならない存在だったのです。
このような歴史を踏まえ、分からないところは率直にお寺様に伺い、それによってさらに親交が深まることを願っております。